全ての人が逃れられない必然的な苦しみ
生まれ生きることの苦しみ
なぜ生まれてきたのか
生き続ける意味があるのか。
親からの体罰。両親の離婚。いじめ。
泣かない日はなかった。
毎日毎日泣いてた。
両親が離婚したとき、私は10歳だったけど
これでもう親のケンカを見ないですむ!と嬉しかったし
これでもう、父に叩かれることも灸されることも
酔って暴れる父に怯えることもないと安心した。
ひとりっ子だった私は
母が夜、ホステスの仕事に出かけると
毎日一人でご飯を食べ、長い夜をひとりぼっちで過ごすことになった。
お酒の匂いも、タバコの匂いも、化粧の匂いさえ、全てが嫌いだった。
学校では、机やカバン、ふで箱の中が“みみず”だらけになってたこともあるし
トイレに呼び出されて蹴られたこともある。
愛されてると感じたこともなかったし
甘えることも知らずに大人になったと思う。
それでも、ひとりが嫌で、誰かに必要とされたくて。。。
いっぱい傷ついたし いっぱい泣いたけど
その分、すこし強くなれたかな。
まだまだ悩むこと、迷うこと、苦しむことがあるけど
生きようと思う。
老いることの苦しみ
自分が40代を迎えることを全く想像できなかった。
どちらかというと、生きることがしんどかったから
早く楽になりたいなぁ・・・って
“死”をイメージすることができても
“老いる”ことを考えたりしなかった。
ところが、40代になってしまい
すっかりオバサン化してる自分を再認識するとかなり焦る。
やっぱりキレイでいたいなぁって思うしスタイルも気になる。
フィットネスやヨガに通って悪あがきもしてる(笑)
思い通りになんてならない。。。
ふとした時に「もしかして老眼?」「もしかして更年期?」と
ビクビクしながら、確実に“老い”に向かってることが受け入れ難い。
“あの頃の私”という幻想を捨てよう。
過去の自分や、他の人と比べなくていい。
体のあちこちにガタがきても
見た目が古めかしくなってきても
それだけがんばって生きてきたってことやん。
“今の私”を、好きになろう。
病気になる苦しみ
当時33歳。
『子宮頚部腺癌』とガンを告知され、入院&手術をうけた。
手術は『広汎子宮全摘出術』子宮全摘出と骨盤内リンパ節郭清を行うとのこと。
だいたい4時間ぐらいの手術になり 入院はリハビリを含めて1ヶ月ぐらいと説明を受けた。
それが4時間どころか、7時間を越える大手術になり。
翌日、様子を見にきてくれた母に あまりの痛みに、話すこともできない。
まぁ…酸素マスクもつけてるので、話せないんだけど。
4時間で終わるはずの手術が7時間以上もかかって、
どんなに心配しただろうと思ってると
「4時間かかるって聞いてて1時間で戻ってきた方が心配やから」と母。
このときはホント、親不孝したなぁって実感(涙)
手術による後遺症『排尿障害』のリハビリが上手くいかなくて
いつまでたっても、自分でトイレもできない。
悔しいやら、情けないやら。
それでも早く退院したくて辛いリハビリもがんばってたのに…
ある日、教授に呼び出され
「取り出した癌細胞が、当初の見解よりも悪かったので抗がん剤治療が必要」と。
こうして私は、1クール1週間の抗がん剤治療を5クール受けることになり
1ヶ月の入院の予定が7ヶ月にもなってしまった。
抗がん剤の治療は、とてもとても辛く
何度も「死んだ方がマシや!」って・・・本気で思った。
辛い辛い治療に耐えたのは
生きたかったわけじゃない!
「死にたい!」と思う気力さえも奪い去られるほど過酷だっただけ。
退院が決まり、主治医の先生からは「とても退院できるとは思わなかった」と。
そして、「5年生存率は30%を切る状態であり、
再発・転移など全く何もないことは考えにくい。」と、告げられた。
こうして私の入院生活は終わり・・・
そんな大きな病気をしたと誰も信じてくれないほど元気な私(笑)
この病気を経験して、私がよく考えたことは
「何で私は生きてるんやろう?」ってこと。
これから先の人生に、どんなことがあるかわかんないけど
“生かされてる”のだと思うから、しっかり生きていきたいと思う。
たくさんの人に支えられて今がある。
たくさんの愛を感じて生き
感謝の気持ちを「ありがとう」って言葉で伝えていきたい。
死ぬことの苦しみ
人は必ず死んじゃう。
生まれた瞬間から“死”に向かってまっしぐら。
一人ひとり、人生において経験することは違う。
結婚する人しない人。病気になる人ならない人。
みんなそれぞれに違う。
でも、誰もが絶対に死ぬ。それだけは間違いない。
私が死を意識しなきゃいけない病気になって気づいたことは
時間は“無限”に訪れるけど
自分に与えられた時間は“有限”だってこと。
自分に残された時間(寿命)がどれほどあるかわからないんだから
いつその時がきても後悔しないように
1日1日を大切に過ごしたいと思う。
今日の1日を精一杯生きて・・・それを明日に繋げよう。
そして、それが1ヶ月。1年と続いていけば
きっと、毎日が充実した素敵な人生になるよ。
そしたら、いつその時(死)がきても
「いい人生だったなぁ」って思えるような気がする。
だったら楽しもうよ
悩んで・・・迷って・・・
自分の思い通りにならないことが苦しみ。
泣いて過ごしても1日。
怒ってイライラして過ごしても1日。
もったいない。。。
私は残された時間を意識したときそう思った。
「泣いてる時間がもったいない。」
好きなことだけしていこう。
楽しいことだけしていこう。
子どもたちに残してあげられるものなんて何もないから
たくさんの思い出を作ろうと思った。
いろんなところに出かけたり
誕生日会やクリスマスなど、
家族が集まるイベントもいっぱいやった。
そうして毎日を笑顔で過ごしてたら
何事もなく5年が過ぎて
気がつけば子どもたちはみんな成人して、私も40歳を過ぎてた(笑)
泣きたいときは、おもっきり泣けばいいし
悩むことも、迷うこともムダじゃない。
しっかり“今”の“自分”を見つめ受け入れ、認めてあげたら
もっと心が“楽”になると思う。
どうせだったら人生もっと楽しもう。